糖度が高く育てやすいマスクメロン「ムーンライト」を紹介

2024年9月16日

今日は、糖度が高くて収穫適期が分かりやすく、比較的栽培しやすいというマスクメロン「ムーンライト」の栽培方法をご紹介したいと思い投稿しました。
次の写真がそれです

私は数年前から、プリンスメロンやニューメロン、アンデスメロンなどいろんなメロンを育てていますが、比較的簡単なプリンスメロンはそこそこ甘い果実を収穫したことがあったものの、いずれも収穫適期がわかりにくく、また収穫するまで株を元気に保つことができなかったりして、未だにそれ程美味しいメロンが収穫出来ておりません。

したがって毎年、もっと育てやすくて、しかも糖度の高い美味しいメロン苗がないものかと、ネットで探していたのですが、やっと見つけました。
それが「ムーンライト」というマスクメロンです。

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「ムーンライト」とは

昨年の秋ごろ、育てやすい「超高糖度放任栽培メロン」というメロンを紹介しているサイトを見つけました。
ナント種苗株式会社という奈良県橿原市にある「農産種子の生産と卸販売」をしている会社のサイトで、URLは、https://kateide-saien.com/?pid=128790110です。
そこで紹介していたのが糖度の高い「ムーンライト」という「超高糖度放任栽培メロン」です。

「ムーンライト」とは草勢が強めで放任栽培を前提に育種されており、それまで緑色をしていた果実が、収穫適期になると黄色くなるので非常に育てやすいメロンだということでした。
また、マスクメロンの中でも「ムーンライト」は特に糖度が高く、放置気味に栽培しても糖度15度以上の実を付け、しかもうまく育てれば1株で10個~15個の実がなると言われています。

この初心者でも作りやすいというメロンの苗は通販で購入できるのですが、実は近所のホームセンター「コメリ」でも苗が売っていることを確認しました。

私は今年のメロン栽培に「ムーンライト」の苗を2株買って実際に栽培してみることにしました。


私が育てた手順などは以下に詳しく説明しますが、幅60㎝長さ1.8mの細長い畝に苗を定植し、支柱を立てて立体栽培としました。
プランター栽培でも可能だそうですが、出来るだけたくさんの果実を収穫したいので地植え栽培とし、狭い畑なので立体栽培にして育てました。子蔓4本仕立で子蔓1本あたり2個~3個のメロン収穫を目指しました。
また、メロン栽培では雨除けがマストなので簡易的な雨除けハウスの中で栽培しました。

畑の準備

植え付ける土の準備は非常に重要です。
まず、土が酸性に寄らないように予め苦土石灰を㎡あたり100g程まいておきます。
そして、根をよく伸ばせる環境を作ってやる必要があります。
したがって、植え付ける2週間ほど前に堆肥を、㎡あたり3㎏ほど混ぜ込んで良く耕し、土に空気を含ませてふかふかの土壌を作りました。

植付け1週間ほど前には、化成肥料8:8:8と油粕、ヨウ燐少々をよく混ぜ込んで、幅70㎝高さ15㎝くらいで長さ1.8mの畝を立て、これに銀マルチを敷きました。
メロン・ムーンライトは高温で乾燥した環境を好み、過度の水分があると弱って枯れてしまうそうです。したがって高い畝を作ることにより水はけを良くし、畝が広く高いほどメロンの根がよく伸び、大きく育ちやすくなります。

また、メロン栽培におけるマルチングは土中の水分の安定です。
マルチシートは梅雨時期には過度に雨を土に吸収することを防ぎ、必要な水分を人間が土壌に与えます。
私の場合、あとで畝と畝の間にもビニールシート敷いて雨の土中への侵入を阻止しました。
また、銀マルチを敷いたのはアブラムシやウリハムシなどの害虫を寄せ付けないためです。

ムーンライト苗の植え付け

メロン・ムーンライトの植え付けに適した季節は、夏の暑くなり始めた頃の5月の終わりから6月初旬だそうですが、私は近所のコメリで5月初旬に苗が売っていたので購入してすぐに植え付けました。
予め準備した幅60㎝で長さ1.8mの畝に、80㎝ほど離して2苗を植え付けました。

まずは植え付ける所に穴あけ器でマルチシートに穴を開けます。
その穴の部分の土を掘りだし、この穴に水を一杯に入れます。
穴の中の水が引いたら苗をビニールポットから取り出して穴の中に置きます。
あとは根元に土をかけて軽く押さえて水をたっぷり与えて完了です。
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月の初めなので朝晩はまだ寒く、したがって定植した苗には2週間ほどの間、写真のようにビニールを被せてビニールハウスとした。

晴れた日の昼間はビニールハウス内が30以上にならないように、被せたビニールハウスの頂上付近に穴を開けておきました。
また、ビニールハウスの中の温度を確認するために温度計を吊っておきました。

散水の方法と散水時期.散水量

苗の本葉が56枚くらいになったら先端を摘心し、子蔓の発生を促します。
尚、この写真ではほとんど分かりませんが、畝の上部中央に散水用の塩ビパイプを這わせいます。
この塩ビパイプには2㎝間隔で1㎜の穴を開けてあり、手前に取り付けたペットボトルに水を注ぐと畝全体のマルチ内に散水できるようにしており、これで朝昼夕に水を計量して供給し、1日当たりの潅水量の管理をしていました。

日中の気温が高い時はビニールハウスの裾部分を少し開けて風を通りやすくしました。
さらに2mの支柱も立て、支柱は1株あたりに4本を立てました。
子蔓が伸びてきたら、蔓の先端をビニールハウスの両サイドに出して、支柱に誘引・伸ばしていきます。

肝心の散水量ですが、成長段階によって散水量を加減しました。
定植後は1株当たり1ℓ/
着果後は1株当たり1ℓ×2回/
着果後30日頃からは1株当たり1ℓ/
着果後40日頃からは散水を止める

以上のように決めてやりましたが、結局は1株に10個ほどの果実あってその着果時期がバラバラなので、一律に散水時期と散水量を決めたことに問題があり、途中で枯れそうになってきたので❹の散水を止める時期を延期したりしました。

雨対策に雨除けハウス

気温が上がってくると子蔓はどんどん伸びてきたので毎日誘引して蔓を支柱に軽く縛っていきました。

梅雨になる前に雨対策として、簡易的な雨除けハウスも設置しました。
参考までに、私の使っている雨除けハウスは幅1.9×長さ1.9mの大きさがあり、地面に鉄杭を打ち込んでこの上に雨除けハウスを組み立てて固定しました。
こうすることでハウスの有効高さが2mほどになり、ハウス内での作業もしやすく、強風にも負けないようにできました

この雨除けハウスは昨年購入したものです。

人工授粉

着果節は1015節にする予定なので、10節までの孫蔓はすべて摘心し、10節目に目印として赤いひもを巻いておきました。
また15節目もわかりやすいように青いひもを巻き、この間に咲いた雌花を人工授粉させました。
写真のように雌花が咲いたら、午前中の9時ころまでに

雄花の花びらを千切って花粉を、雌花の中心部にこすりつけます

この受粉作業が1週間~10日ほど続きました。

追肥時期、追肥の方法

着果すると数日で子房が膨らんできましたが、受粉日がバラバラ(1週間ほどの期間)なので当然着果も時期がバラバラな感じでした。

「ムーンライトに追肥をする場合は実が付くまではあまりやりすぎないようにしましょう。つるに栄養が行ってしまい、実が付かないつるぼけという現象を起こしてしてしまいます」と書かれていました。

だから着果したらすぐに追肥する予定をしていたのですが、着果時期がバラバラだったので最初に着果を確認してから1週間ほどしてから追肥することにした。
追肥は、畝の両サイドのマルチをめくり、根っこを傷付けないように少し土を掘って油粕と化成肥料を撒き、土寄せしました。

果実の吊り作業

果実が拳大になったら、果実の付け根付近の孫蔓を吊るように吊り金具を作って引っかけました。

自作のメロン吊り金具

果実が段々と大きくなってきて、

さらに果実が大きくなって外皮にひび割れが入ってきました。

果実が大きくなってくると、重さで吊り金具が外れたりしたので慌てて果実をネットで吊ったりもしました。

7月16日にはこんな感じで、写真ではわかりにくいですがハウス内で果実の生育が進んでいます。
中には拳大くらいのまま大きくならないものや成長の速度が遅いものもあり、散水量の調整が難しいと感じました。
雨対策の一環として、畝間の地面にもビニールシートを敷いて地中に雨が浸透するのも防止しました。

初収穫

8月1日になると、それまでは緑っぽい色をしていた1個の果実が急に黄色くなってきたので、初収穫しました。
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週間ほど前にはすでに散水を止めており、葉っぱの枯れが進んできていました。

私が今までに収穫したメロンよりかなり大きいので重量を測ってみると、なんと2.4kgもありました。
過去にプリンスメロンを収穫した時は600g~700g程しかなかったので4倍ほどの大きさでした。

 

その後も果実が黄色くなったら収穫していきましたが、途中で急に木が枯れそうになってきたので慌てて少し散水をしたりしました。
さらに4日後に6個、9日後に3個、13日後に1個を収穫し、全部で11個でした。

最後の果実を収穫したときには、下の写真のように木がかなり枯れ気味でした。

たぶんですが、水のやり方をもう少し上手にしていれば最後まで木を枯らさずにもっと糖度を高く出来たかもしれないと反省しています。

ムーンライトの甘味と反省点

収穫した果実は1週間ほど室温で追熟させてから、食べる直前に冷蔵庫で冷やして頂きました。
最初に収穫した果実の甘さは少し足りない感じでしたが、収穫時期が後になるほど甘さが増してきて、最後に食べたものはほぼ満足できる程度のメロンに仕上がっていました。
これらの甘さの違いは、生育期間の長さと与えた水分量に影響していると考えられます。

【反省点】
外皮が黄色くなってもすぐ収穫せずもう2,3日おいてから収穫した方がよかったように思います。
また、水分の与え方(時期と量)について、1株で58個も着果させると生育状況や果実の大きさがバラバラなので難しいです。
甘さを管理する意味では1株で果実を12個程度に抑えて散水時期にあった散水量を守れば、より甘くてより大きい果実が収穫できるのではないかと思います。
苗の価格が1258円もするのでたくさんの果実を収穫したいと考えましたが、12kg以上もある大きな果実が出来るので、果実数を制限すればさらに大きくもなることが考えられ1~2個でも十分とも考えます。
次回もムーンライトを栽培するなら、果実数を制限して散水量を最適に管理して甘くて大きな果実を収穫したいと思います。

皆さんも、栽培しやすい「超高糖度放任栽培メロン」というムーンライトを栽培してみませんか?
甘くて大きいマスクメロンが収穫できますよ。

最後までお読みいただき有難うございました。