メロンの露地栽培での水のやり方を研究、空中栽培にて

2024年9月19日

こんにちは、植物を育てることが好きな ”たか爺” です。
私は数年前からメロン栽培を、いろいろ試行錯誤しながらやっています。

メロンの露地栽培では、果実の出来具合は天候による影響が大きく、その管理が非常に難しいとされています。
専門家によれば、メロン栽培では生育の段階ごとに必要な土壌中の水分が異なり、また生育に最適な温度も生育の段階毎で異なるそうです。
このような栽培管理のポイントを理解して何とか工夫すれば、露地栽培でも美味しいメロンを収穫することも可能ではないかと思います。
ただし、ハウス栽培ではないので温度管理は天候次第なのでちょっと無理がありますが、水分管理は工夫すれば何とかなりそうだと考えています。

今日は、甘くて比較的作りやすいプリンスメロンの、露地での空中栽培時の水分管理を実地で挑戦し、私が実施したこととその反省点をここに備忘録として残しました。
今回の栽培ではあまり良い結果ではなかったものの、今回の反省点を生かして次回のメロン栽培に再挑戦したいと思います。
もしメロン栽培を検討されている方で、参考にできる内容がありましたら幸いです。

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メロン栽培における「土壌中水分」と「温度管理」

メロン栽培では生育の段階ごとに必要な土壌中の水分が異なり、生育に最適な温度も生育の段階毎で異なると述べましたが、
以下の図はメロン栽培に最適な温度と水やりなどの関係図です。(ホームセンターバロー様のサイトより引用)
メロン苗の成長過程における最適な気温および土壌水分をグラフに示されています。

「ホームセンターバロー」様のサイトより引用

このグラフの土壌水分を見れば、
①定着後は水分を高めに保ち、
②開花するまで水分を減らしていき、
③着果したら水分を高くするが
④収穫前は低くする、
となっており、この辺は他の方も同じようなことを言われているので間違いないようです。

メロンの露地栽培では

露地栽培の場合、温度管理はほとんど無理かと思いますが、水分管理については雨が土壌に浸透しないように囲い、必要な場合には水を与えるなどすれば、土壌中の水分管理はある程度可能ではないかと考えました。
一般的には、メロンの露地栽培では雨水を避けるためにトンネルマルチを使って株全体を覆う形が多いですが、その場合は畝幅が2.5mなどとかなり広い面積を必要とします。

しかし、狭い家庭菜園などでメロンを栽培する場合には、蔓を這わせて上に伸ばす空中栽培をするのが最適かと思います。
狭い菜園で空中栽培をする場合、誘引・整枝や人工授粉などの作業性も考えると、雨の侵入を防ぐには全体を覆うビニールハウスのような大掛かりなものになってしまう。(下図)


これほど大掛かりになると強風対策などもしてかなりの費用がかかるし、結局は占有する面積(通路を独占など)も広くなってしまう。
そこで、メロン株が雨ざらしであっても、土壌中に水分が浸透しないような、安価な方法は無いものかと思案しました。

通路にもマルチを敷いて雨水の地下浸透を防止

その結果、実に簡単ですが、マルチを広く敷くことでメロン株から離れた通路の土壌中にも雨水を入れないようにすれば良いのでは、と考え、実地検証してみることにした。

メロン苗を植える畝幅は60㎝とちょっと狭いですが、これに両側の通路幅40㎝ずつにもマルチかビニールシートを敷いて雨水の土壌への侵入を防ぎます。(下図)
尚、通路は畝の中央付近が一番高く、手前と奥に向かって勾配を取って排水してし易くいます。

これに、株元を雨から保護するために苗の周囲を覆う小さいトンネルを作り、さらに支柱を立てて空中栽培を行う。

 

実際の栽培は

私が実際にやった方法は、3株を植えて1株に4本の子ツルを伸ばし、苗が小さいうちは蔓はトンネルの中で、それ以上大きくなってきたらトンネルの両側からツルを出して支柱・ネットに誘引して上方へ延ばす。
(写真は栽培初期なので、まだ通路にビニールシートなどは敷いていない)


以下の写真は、通路に透明マルチを二重にして敷いたもの。
ツルが伸びてきてトンネル下部の両側から出て上部のネットに誘引し始めた。


蔓がかなり伸びてきてています。
(後で分かったことですが、活着後も水を与え過ぎたようです。)
通路へのマルチ敷きは有効かと思いますが、結果からいうと、残念ながら何度も足で踏んでいる間に一部に穴が開いて地下浸透したかもしれないです。

水やりの方法など

トンネルにビニールマルチを被せたので水やりをし易くするために、株間に漏斗を20㎝ほど埋め込んで設置しました。

株間に漏斗を合計で4個埋め込んで水やりをしています。

この漏斗は、ペットボトルと長さ20㎝の塩ビパイプをくっつけて作ったものです。

20㎝の塩ビパイプの底を閉じ、上からの10㎝に、1㎝毎にΦ1㎜の穴を四方に開けており、その穴から土壌中に水が分散するイメージです。

この漏斗を畝の真ん中の株間に差し込んでおき、実際に水を与える時はトンネルの上からさらに大きな漏斗を差し込んで与えました。

蔓が伸びた場合でも、その間に柄杓を差し込んで水やりをしました。

水やりの量と時期

ネットでメロンの育て方を調べたら、
❶苗を植えた直後はたっぷり水やりをする
❷その後は乾燥ぎみに育てる
❸着果が確認できたら、多めに水やりをし
❹収穫予定の10日ほど前になったら水やりを控える
と、「たっぷり」「乾燥気味」「多めに」「控える」など漠然とした表現で、水やりのについてあまり詳しく書かれたサイトは無かった。

更にいろいろ探していたら、YouTube動画で実に詳しく説明しているところを見つけた。
メロンの水やり方法7ステップ【美味しく大きくなる灌水】

この動画によると、水やりの時期と量は以下の通り。

私が栽培するのはプリンスメロンなので、縦ひびや横ひびは発生しないし、1苗当たり2リットル~4リットルでは無茶苦茶多い気がする。
したがって、以下のサイトも参考にし、上記の動画の水やり量の1/2~1/4を与えることにした。
マイナビ農業https://agri.mynavi.jp/2018_12_19_52213/

私の場合は株間に水を与えていきますが、1苗当たり=1ヶ所当たりと解釈し、
水やりはできるだけ午前中に行い、
定植してから十分に根付くまでは十分に、
根付いたら乾燥しすぎない程度に水をやる、

着果したら、10日目までは多めに水をやる、
着果後30日ごろを過ぎたら徐々に水をやる量を減らす。
こんな感じでやってみましたが・・・

その結果は

子ツルの成長具合いや雌花が咲く時期、着果時期がバラバラだったので着果後の水やり量の調整が非常に難しいものでした。
とりあえず1番果の1週間ほど遅れて水やり量を増やし、収穫時期を1番果が着果してから40日後と仮定して水管理を行った。

これだけ水管理に気を付けても、収穫直前に降った大雨の数日後にはメロンにひび割れが発生した。
通路のビニールシートを何度も足で踏んでいる間に一部に穴が開いて雨水が地下浸透ようです。
写真は収穫直前の果実でしたが、雨の影響でひび割れたので収穫した。
一応数日ほど追熟してから食べたがそこそこの甘さであった。


次の写真も収穫間近の果実ですが既にひび割れしていたので早めに収穫した。甘さはそこそこでした。


そろそろ終わりに近いメロンの木ですが、まだ何個かのメロンが成っています。

結果的に、プリンスメロン3株で18個が収穫できたが半分くらいはひび割れた。

今回の反省点

定植してから活着するまではしっかり水やりをしたが、その後も続けたので生育が悪く雌花が付くのが遅れ、着果時期がバラバラになってしまったと思われる。
着果時期がバラバラになったため、
着果後の日数に応じて水の与える量を調整する予定であったがうまく出来なかった。

また、通路にビニールマルチを敷くことで雨水が土壌中に侵入しないようにしたつもりであったが、2か月以上も歩いて踏んづけていたので一部が破れていたのかもしれない。
それは大雨の数日後にメロンにひび割れが起こったことから推察される。
もっと丈夫なシートを敷く必要がある。

以上の失敗から、次回の栽培時は以下のように改善するべきだと考えています。
❶苗を定植してから根付くまではたっぷり水をやり、
根付いたら乾燥しすぎない程度に水をやる(=100~200ml/株)
❸着果したら10日目までは多めに水をやる(=700~1000ml/株)
❹着果後11~18日ごろまでは水をやる量を控える(=200~300ml/株)
(それが過ぎたら再度水を多めにやる)
着果後30日ごろを過ぎたら徐々に水をやる量を減らす。(=ほとんどやらない)
通路に敷くビニールシートは踏んでも破れない丈夫なものを選ぶ。

そして、土壌中の水分を管理するために「土壌水分計」が1つ欲しいと思います。
これを実践して美味しいメロンを育てたいと思っています。

最後までお読みいただき有難うございました。